アメリカン・ハント・テリア


アメリカ原産のテリア犬種、「アメリカン・ハント・テリア」について紹介します。

ブラック&タンのジャック・ラッセル・テリア(アメリカン・ハント・テリアかは不明)

■犬種名

英語で”American Hunt Terrier”と書き、”Black and Tan Terrier””Red Terrier””Solid Colored Jack Russell Terrier”、単に”Hunt terrier”などとも呼ばれます。

■起源

犬種クラブがアメリカにあるため、原産国をアメリカとしていますが、明確な起源は不明です。

イギリスで狩猟に使われていた有色のジャック・ラッセル・テリアが祖先といわれることと、ジャーマン・ハンティング・テリアが祖先といわれることがあります。

どちらにせよ、様々なテリア犬種の祖先となったブラック・アンド・タン・テリアや他の有色のテリアの血が入っているようです。

また、犬種クラブ(アメリカン・ハント・テリア・クラブ・アソシエーション)とナショナルケネルクラブではスタンダードが異なり、またおそらく独自のスタンダードを採用し、犬種クラブに属さず繁殖を行っている犬舎もあるようで、それぞれで起源が異なる可能性もあります。

1995年にハント・テリア・クラブ・オブ・アメリカが設立され、当時は公認毛色はブラック・アンド・タンとレッドのみでした。しかし、2008年にサイズ、毛色、形を認めたため、従来のスタンダードから大きく逸脱する個体が現れました。2008年にアメリカン・ハント・テリア・クラブ・アソシエーションが設立され、従来のブラック・アンド・タンとレッドのみの毛色を公認しました。2021年にスタンダードが改定され、チョコレート、ブルー、ライラックも公認毛色に含まれました。

アメリカン・ハント・テリア・クラブ・アソシエーションに登録されているブリーダーは20犬舎のみですが、これはアメリカのみでの数です。(アメリカン・ハント・テリアと他国で飼育されているハント・テリアや有色のジャック・ラッセル・テリアが同一犬種としてみなされているかは不明です。)

■特徴

狩猟、スポーツに使われ、家庭犬としても飼育されています。見た目は有色のジャック・ラッセル・テリアという感じで、実際にジャック・ラッセル・テリアも交配されており、ジャック・ラッセル・テリアに近いホワイトの面積の多い個体が生まれることもあります。

バランスの取れた筋肉質なテリアで、体高は20~30センチ(理想は25~30センチ)で体重は体高(インチ)より0.45~1.36キロ重いです。つまり、約4.1~6.8キロの小型犬です。

大胆不敵で警戒心が強く活発で、忠実で友好的です。

耳はボタンイヤーで尾は高い位置につき、先端が耳の高さと同じになるように断尾されます。

毛色はソリッドのレッド、タン、ソリッドまたはタンポイントのあるブラック、チョコレート、ブルー、ライラックなどです。ホワイトの斑は胸と足先を合わせて身体の10%以下です。この内、チョコレート、ブルー、ライラックは後から認められた毛色です。ブリーダーの掲載するスタンダードは様々で、チョコレート、ブルー、ライラックを含めないブリーダーもいます。毛質はジャック・ラッセル・テリアと同様にスムース、ブロークン、ラフの3種類があります。

■登録

JKC 非公認

FCI 非公認

■まとめ

アメリカ原産のテリア犬種、「アメリカン・ハント・テリア」について紹介しました。ジャック・ラッセル・テリアによく似ていますが、印象はかなり変わりますね。新しい犬種のようにも思えますが、物珍しい毛色の犬を作ろうとしたのではなく、昔の犬種を取り戻そうと作られたのは意外ですね。ブルーやライラックの毛色が何の犬種から取り入れられたのか不思議ですね。