バラディ・ストリート・ドッグ


エジプトのストリートドッグ、「バラディ・ストリート・ドッグ」について紹介します。

■犬種名

英語で”Baladi Street Dog”と書き、”Baladi dog””Egyptian Street Dog””Thebes Land Dog”などとも呼ばれます。”Baladi”とは”native”や、”local”(原住民の、地元の)という意味のアラビア語です。

■起源

何世紀にもわたって半野良の状態でエジプトに存在してきた犬種です。サルーキ、ファラオ・ハウンド、カナーン・ドッグなどの子孫と言われています。古代エジプトで狩猟犬や牧畜犬として飼われたとも考えられています。

純血種として人為的に固定されたわけではないので、自然に進化しました。

バラディ・ストリート・ドッグの数は年々増加しており、地元の人々によって虐待されたり、苦情が出て政府や民間が後援する安楽死のプログラムもあります。しかし、最近ではTNRによって頭数の増加を防いだり、アメリカに連れて行って里親を探したりする取り組みをする人々が多くなりました。また、地元の人々もバラディ・ストリート・ドッグが番犬や家庭犬として優秀であることに気づき始め、その存在が見直されてきています。

■特徴

純血種のような決まった特徴があるわけではありませんが、一般的に体高35~58センチ、体重11~23キロの中~大型犬で、脚が長く、細身です。また、厚い気候にも耐えられ、免疫力も高いです。吠え声はバセンジーのヨーデルのようなうなり声と言われます。

厳しい生活を強いられることもあるため、根性があり、知的で順応性が高いです。見知らぬ人には警戒心が強いですが、家庭犬として飼われるようになれば忠実な良い家庭犬や番犬になります。

耳は立っていることも垂れていることもありますが、立っている場合は特に細長い大きな耳がよく目立ちます。尾は細長く、カールしている場合もあります。

毛色はレッド、レッド&ホワイト、ホワイト、ウルフ、セーブル、トライカラー、ブラック&タン、ブラック、ブラック&ホワイトなど様々で、ブラックマスクをもつものもいます。毛質はスムースコートが多いですが、まれにセミロングコートの犬や尾などの毛が長い犬などもいます。

■登録

JKC 非公認

FCI 非公認

■まとめ

エジプトのストリート・ドッグ、「バラディ・ストリート・ドッグ」について紹介しました。エジプトの野良犬をまとめた呼び方で、純血種ではありませんが、古くから存在する犬の遺伝子を持っていたり、似たような特徴を持っている場合もあることから、一つの「タイプ」として認識できる犬だと思われます。とても身体が強く、順応性もあり、家庭犬として飼われる犬も忠実であることから多くの魅力を持った犬なので、これから里親を探す取り組みが増えたり、地元の人々が飼うことが増えたりすればバラディ・ストリート・ドッグの未来は明るいかもしれませんね。