イタリア原産の牧羊犬、カネ・ダ・パストーレ・デラ・レッシーニア・エ・デル・ラゴライについて紹介します。
■犬種名
イタリア語で”Cane da pastore della Lessinia e del Lagorai”と書きます。
単に”Pastore del Lagorai””Patore della Lessinia””Pastore Lagorai”などと呼ばれることもあり、”Pastore della Val d’Adige””Pastore mòcheno”という別名もあります。
■起源
イタリア北東部(トリベネトと呼ばれる地域)原産で、祖先は非常に古い歴史を持つ牧羊犬です。2018年の遺伝子研究によって同じ祖先から「カネ・ダ・パストーレ・デラ・レッシーニア・エ・デル・ラゴライ」の他に、「ジャーマン・シェパード・ドッグ」「ピカルディ・シープドッグ」「ベルガマスコ」「カネ・パラトーレ」「カネ・ルピーノ・デル・ギガンテ」「カネ・ディ・オローパ」が生まれたことが分かっています。
■特徴
「ルポイドタイプ」(オオカミに似た特徴を持つ)と呼ばれる中型の活発な牧羊犬で、従順で好奇心旺盛と言われています。他の多くの牧羊犬種と同様に、十分な運動を必要とします。
長い間スタンダードがあったわけではないためか、見た目も素朴で強くて健全な犬種のようです。
大きな三角形の耳を持ち、立ち耳、半直立耳、垂れ耳の個体がいますが、立ち耳が最も多く、次に半直立耳が多いイメージがあります。
尾は中くらいの長さでふさふさとした毛におおわれています。祖先を共有する犬種「カネ・ディ・オローパ」と異なり、無尾や短尾(ブラキウリ)は例外を除いてほぼいないようです。
毛色はブラック、ブルーマール、チョコレートブラウン、レッドマール、フォーンなどで、白斑が入ることもあります。フォーンの毛色の個体がマスクを持つことはありますが、タンポイントは好ましくないとされています。また、顔や身体全体において白斑が多すぎてはいけないという規定もあります。他の多くの犬種と同様に、マール同士の交配は避けるべきとされています。
毛質は一部がウェーブがかったミディアムロングで、アンダーコートが厚く、耳の後ろや後肢の付け根、尾においては顔などよりも毛が長いです。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
ENCI 公認
「Società Italiana Pastore della Lessinia e del Lagorai」という団体がENCIやFCIへの登録を目指し、活動しているようです。
■まとめ
イタリア原産の牧羊犬、「カネ・ダ・パストーレ・デラ・レッシーニア・エ・デル・ラゴライ」を紹介しました。
イタリア原産のローカルな牧羊犬はあまり知られていないですが、他にもたくさん存在します。見た目は他の地域原産の牧羊犬に似ていることも多く、特に「カネ・ダ・パストーレ・デラ・レッシーニア・エ・デル・ラゴライ」は見た目は有名な「ボーダー・コリー」などに似ていると思います。古くから存在した同じ祖先から派生した犬種が世界各地で誕生しているということが表れているのかもしれませんね。