セルビア原産の護衛犬種、「セルビアン・ディフェンス・ドッグ」について紹介します。
◼️犬種名
英語で”Serbian defense dog”と書き、”Serbian defensive dog”などとも呼ばれます。
◼️起源
セルビアに古代から存在した絶滅犬種を蘇らせることが目的でNenad Gavrilovic氏によって作られました。この古代犬種は、ロットワイラーに似ていますが、強い体格で脚が長く、多くが単色でブリンドルやブラック&タンなどもいました。力強く、スピードがあり、2匹で5、6匹のオオカミの群れを追い払うことができたほどでした。
セルビアン・ディフェンス・ドッグは、1981年に繁殖が始まりました。オオカミとトルニャックのミックスにロットワイラーを掛け合わせたものと、オオカミとナポリタン・マスティフのミックスを交配し、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアも加えられました。オオカミとナポリタン・マスティフのミックスは動物にも人間にもとても攻撃的だったと言われています。
1991年には形態と性格が固定されたセルビアン・ディフェンス・ドッグが100頭ほどおり、この頃犬種が確立したと言えます。
◼️特徴
セルビアン・ディフェンス・ドッグの作出に関わった犬種の割合から考えて、オオカミが約5%、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアが5%、トルニャック、ロットワイラー、ナポリタン・マスティフがそれぞれ30%ずつの血が入っていると言われています。
領土、財産、家畜を守るシェパード(トルニャック)の本能、人と家族を守るマスティフ犬種(ナポリタン・マスティフ)の本能、テリア(アメリカン・スタッフォードシャー・テリア)の粘り強さ、柔軟性、気質、オオカミの鋭い感覚、反射神経、健康を受け継いでいます。
普段は穏やかで、良い家庭犬になります。とても従順で、家族の子供にもおおらかです。状況判断がよく、非常に勇敢で、人や動物に怯えることはありません。見知らぬ人には不信感を抱きます。
様々な天候下ではたらくことができ、犬種特有の目立った病気はなく、基本的に健康です。また、多くの子犬を生みます。
耳は中くらいの大きさで、三角形で、頭の近くに垂れており、断耳されることもあります。尾は断尾されることが多いようです。
毛色は、ブラック、イエロー、グレー、ブラック&ブリンドル、グレーブリンドル、ハニーカラーです。頭部と脚の白斑は30%までは許可されます。毛質は密集し、あらゆる天候から守れるショートコートです。首回りなどはミディアムくらいの長さのこともあります。
◼️登録
JKC 非公認
FCI 非公認
◼️まとめ
セルビア原産の護衛犬種、「セルビアン・ディフェンス・ドッグ」について紹介しました。見た目はマスティフなどに似ていますが、オオカミの血も入っているようですね。また、かなり新しい犬種なので、日本にはほぼいないと考えられ、主要なケネルクラブには公認されていませんが、セルビア国外でも飼われているようなので、日本国内でも飼われることがあるかもしれませんね。