バーン・ガディ・ドッグ


インド原産の牧羊犬、「バーン・ガディ・ドッグ」について紹介します。

■犬種名

英語で”Baan Gaddi Dog”と書き、”Indian Sheepdog””Habsu Dog”などとも呼ばれます。

■歴史

インドのラダック、ヒマーチャル、ウッタラーカンドのヒマラヤ地域原産で、遊牧民に飼育されてきた古い歴史を持ちます。

「チベタン・キー・アプソ」と同犬種としている情報もありますが、「チベタン・キー・アプソ」は中国のカイラス山近くのチベット高原原産なので別犬種と解釈しています。

現在では絶滅の危機に瀕しており、原産地以外ではほとんど知られていません。この犬種を救う取り組みもなされてはいますが、純血種を見つけるのは難しいと言われています。

■特徴

ヒマラヤ地域で牧羊犬として飼育されているため、寒冷な気候に耐えることができます。

体高は53~68センチ、体重は28~42キロの大型犬です。明確なスタンダードがなく、公認犬種でもないため、情報によってはもう少し大きく重いというものもあります。大きさや体格は「ガディ・クッタ」によく似ています。これは、「チベタン・キー・アプソ」が「チベタン・マスティフ」から派生したことと対照的です。

多くの牧畜番犬と同様に家族には愛情深く献身的ですが、警戒心が強く勇敢でよい番犬となります。

耳は垂れ耳で、尾はゆるい巻き尾です。

毛色はブラック、ホワイト、ブリンドル、フォーン、グレー、ブラウン、ブラック&タン、トライカラー、パーティーカラーなどです。ブラック&タン、グレー&タンが多いように思います。毛質は厚いダブルコートでミディアム~ロングのシャギーコートです。この毛質は寒冷な地域に適応しています。

■登録

JKC 非公認

FCI 非公認

チベタン・マスティフ、チベタン・キー・アプソ、ボーテ・ククール(ネパリー・シープドッグ)、ガディ・クッタ、バーン・ガディ・ドッグ、ブティア・シープドッグ、モンゴリアン・バンホール、ビョブ・チ、バカルワル・ドッグと呼ばれる牧羊犬をまとめて「ヒマラヤン・マウンテン・ドッグ」と呼び、公認している団体「ヒマラヤン・マウンテン・ドッグ・レジストリ」があります。

■まとめ

ガディ・クッタ(サムネイル左)とバーン・ガディ・ドッグ(サムネイル右)

インド原産の牧羊犬、「バーン・ガディ・ドッグ」について紹介しました。インド原産の犬種は似たようなものが多かったり、中国やパキスタンなどの隣国と祖先を共有する犬種が多かったりします。「バーン・ガディ・ドッグ」は、その特徴的な毛質で他の牧羊犬、家畜番犬と異なる雰囲気を感じますね。また、ガディ・クッタとの共通点、チベタン・キー・アプソとの相違点についても注目すると面白いですね。

参考(2024/5/24参照)

Baan Gaddi (Indian Sheepdog) Breed Information, Picture & Characteristics – HubPages

Himalayan Mountain Dog Registry About Us

Baan Gaddi Dog Breed Facts – DogDekho

11 Unrecognized Guard Dogs From Asian Countries – HubPages

Tibetan Kyi Apso – Wikipedia

Tibetan Kyi Apso (molosserdogs.com)

Nepali Bhote Kukur (Nepalese Sheep Dog) Breed Information, Facts & Characteristics – HubPages

Byob chi: Bhutan’s livestock guardian dog – A Lae Man’s View (wordpress.com)