フランス原産の牧羊犬、「シャン・ド・クロー」について紹介します。
■犬種名
フランス語で”Chien de Crau”と書き、”Berger de Crau””chien de berger de la Crau””Berger de Camargue on de Crau”などとも呼ばれます。
■起源
南フランスのブーシュ=デュ=ローヌ県のカマルグに隣接するクロー平野原産です。
ボースロンやボーダー・コリーなどに取って代わられていきましたが、数人のブリーダーによって守られてきました。
2009年には地元の農業組織とブリーダーはフランスのケネルクラブであるSociété Centrale Canineと協力して個体を登録し、犬種標準を定め、犬種協会を設立しました。
2016年には、ボーダー・コリー、ピカルディ・シープドッグとともに、アルプスで使用された主要な牧羊犬種でした。
また、シャン・ド・クローは、バルべ(フレンチ・ウォーター・ドッグ)の再興に使用されています。
■特徴
ボーダー・コリーやワーキング・ケルピーのように、ドッグショーで良い成績を収めることよりも、実用犬としての能力が重視されます。
ボーダー・コリーが導入され、シャン・ド・クローの数は減りましたが、これまで絶滅せずに牧羊犬として使用されてきたのは、シャン・ド・クローがボーダー・コリーとは異なるはたらきをするからです。ボーダー・コリーは飼い主の指示に忠実に従うことが理想とされていますが、シャン・ド・クローは、独立して行動できることが理想とされています。
中型犬で、素朴な見た目をしています。
垂れ耳と長めで先の少し上がった尾を持っています。
毛色はブラックまたはブラックグレーです。
厚いカーリーコートで、顔まで毛で覆われています。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
SCC 非公認
■まとめ
フランス原産の牧羊犬、「シャン・ド・クロー」について紹介しました。
シャン・ド・クローは日本ではほとんど知られていませんが、世界でも有名なバルべの再興に関わっているというのは驚きですね。
シャン・ド・クロー自体もかなり数が少なく、地元限定の犬種ですが、ブリーダーや愛好家の手によって保存されています。ボーダー・コリーなどとは異なるはたらきをするために他地域から入ってきた犬種が増えても残り続けてきたので、これからも大切に保存されることを願いたいと思います。