スペイン原産の牧羊犬、「カン・デ・パレイロ」について紹介します。
■犬種名
スペイン語で”can de palleiro”と書き、”Pastor gallego””palleiro shepherd dog””Perro palleiro”などとも呼ばれます。”palleiro”とは「干し草置き場、わら倉庫」を意味します。
■起源
ポルトガルとの国境に近いスペインの北西部ガリシア地方原産です。
非常に歴史が古く、旧石器時代からガリシア地方に存在したと言われています。ジャーマン・シェパード・ドッグ、ベルジアン・シェパード・ドッグ、ダッチ・シェパードと共通の祖先から生まれたとされています。それにもかかわらず、カン・デ・パレイロは口述、文書ともに言及されていましたが、今日に至るまで長い間、独立した犬種として意図的に繁殖されることはなく、名前も付けられていませんでした。
1960、70年代にヨーロッパの他の地域から持ち込まれた犬種(主にジャーマン・シェパード・ドッグとベルジアン・シェパード・ドッグ)との交配が進み、純血種はほとんど姿を消しました。
1999年にXunta de Galicia(ガリシア自治体)によって存在が確認されました。2001年にブリードスタンダードが作られ、2002年に犬種協会である、クラブ・ダ・ラザ・カン・デ・パレイロが作られました。
現在でも数は回復してきましたが犬種クラブによって保護し、頭数を増やす活動が行われています。
■特徴
見知らぬ人には警戒心がありますが、主人に忠実で子供にも友好的です。また、とても健康的で丈夫で運動神経がよく、牧羊犬やコンパニオンとしてだけでなく、牛の誘導や番犬としても使われます。
中~大型の「ルポイドタイプ」の犬種であり、ジャーマン・シェパード・ドッグと交配した歴史もあることから、ジャーマン・シェパード・ドッグに似た見た目をしています。
立ち耳としっかりとした尾を持ちます。
毛色はシナモン、サンディなどのクリーム色~茶色が多いですが、ブラック、ブラウン、ウルフ(”alobada”と呼ばれる)なども存在します。
毛質は粗く密集したショートコート~ロングコートです。ショート~セミロングが多いようです。手足や顔の毛は短いです。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
犬種クラブ Club de Raza Can de Palleiro
■まとめ
スペイン原産の牧羊犬、「カン・デ・パレイロ」について紹介しました。
一見ジャーマン・シェパード・ドッグやホワイト・シェパードにも見える犬種で、ジャーマン・シェパード・ドッグや他のシェパード犬種と共通の祖先をもつことも納得できますね。「ルポイドタイプ」とはいえ、「カネ・ルピーノ・デル・ギガンテ」などよりも見た目はシェパード系の犬種に似ているようです。
クリーム色の個体が多いですが、ブラックやブラウン、ウルフなどの個体はまたイメージがかなり違いますよ。