犬種独自の毛色


犬の毛色には様々な種類があり、それぞれに毛色名があります。同じ毛色でも犬種によって名前が異なったり、少数犬種にしか存在しない毛色もあります。その内のいくつかについて紹介します。

■ビーバー beaver

出典:Wikimedia Commons File:Baer Bright.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Baer_Bright.jpg

ポメラニアンの珍しい毛色で、「チョコレートセーブル」や「チョコレートウルフセーブル」と表せる毛色です。セーブルに似ていますが、ブラックポイントがこげ茶色です。生まれたときはこげ茶色の差し毛が多いです。成長とともに差し毛は減ることが多く、ブラックポイントや目の色以外あまり変わらないように見えることもあります。毛先がチョコレートなので、オレンジなど濃い毛色の場合は特にセーブルかウルフセーブルかを見分けるのは困難です。そのためか、ビーバーという毛色はチョコレートセーブルもチョコレートウルフセーブルもまとめて表しているようです。チョコレート因子を持つ劣性レッドにおいてこの名前が使われることはなさそうです。また、もともとは「ビスケット」と呼ばれていました。

■ピントー pinto

出典:Wikimedia Commons File:02. BIR Grupp 5- AMERICAN AKITA, Estava Rain Reckless Road (24151666831).jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:02._BIR_Grupp_5-_AMERICAN_AKITA,_Estava_Rain_Reckless_Road_(24151666831).jpg

アメリカン・アキタに代表される、斑の毛色で、頭の上と身体の1/3以上に均等に有色の斑があるものです。アメリカン・アキタにはこの毛色がとても多いです。秋田犬は裏白であるものの、白斑はほとんどありません。(足先などに存在することはあります。)また、主に海外で白斑を持つ柴犬もこのように呼ばれることがありますが、そもそも珍しい上にスタンダード外であり正式に定められているわけではありません。また、「ピントー」という毛色名は馬にも存在します。ピントーなどの毛色のアメリカン・アキタに多い、色の境界あたりの黒い線は、「エッジング」と呼ばれます。

■フーデッド hooded

アメリカン・アキタの毛色の一つでどちらかと言えば珍しいです。身体の大部分が白で、有色の斑は1/3未満です。この有色の斑は主に頭部にあり、場合によっては身体にもあります。

■ペッパー pepper

出典:Wikimedia Commons File:DANDIE DINMONT TERRIER, German Dandies’ Ulaika (23662652324).jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DANDIE_DINMONT_TERRIER,_German_Dandies%E2%80%99_Ulaika_(23662652324).jpg

ダンディ・ディンモント・テリアの毛色で、様々な色調のブルーを表します。トップノットの毛色はシルバー・ホワイトですが、肩から尻にかけての毛色は濃いタンから薄いフォーンまで様々です。生まれたばかりの頃はブルーの部分が真っ黒で、ブラック&タンの毛色です。

■マスタード mustard

出典:Wikimedia Commons File:Dandie Dinmont Terrier 600.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Dandie_Dinmont_Terrier_600.jpg

ダンディ・ディンモント・テリアの毛色で、赤っぽいブラウンから薄いフォーンまでの様々な色調です。そもそも、ダンディ・ディンモント・テリアにはペッパーとマスタードという二種類の毛色しか存在しないため、それぞれの指す毛色は範囲が広いです。トップノットの毛色はクリーミーホワイトです。生まれたばかりの頃は全体的に色が濃く、セーブルのような差し毛が背中などにあります。

■まとめ

ある犬種特有の呼び名を持つ毛色の一部を紹介しました。異なる犬種でも同じ毛色を持つ場合もあれば、同じ呼び名の毛色でも犬種ごとに異なる毛色を指す場合もありとても興味深いですね。犬種独自の毛色にはその犬種のイメージや歴史も含めて毛色名が付けられていることもあるので皆さんもぜひ調べてみてください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です