ロシア、東ドイツ原産の愛玩犬、「ボロンカ・フランツスカ」について紹介します。
■犬種名
英語で”Bolonka franzuska”と書き、”frantsuzskaja bolonka”などとも呼ばれます。ロシア語で”французская болонка”と書きます。
■起源
100年以上前からロシアと旧ソビエト連邦の国々でのみ飼われていました。
ルネッサンス時代以降、ロシアとフランスの王族は密接な関係があったためにフランスから連れてこられたビション・フリーゼやボロニーズ、マルチーズなどの愛玩犬がロシアの王族の中で人気がありました。エカチェリーナ2世もこれらの犬種を愛していたようです。これらの犬種がボロンカ・フランツスカの祖先となっています。1917年の十月革命以降、両国の貿易関係は途絶え、ロシアにいた犬の血統は隔絶されました。残った犬たちでブリーディングが行われたため、近親交配もある程度行われたとされます。
ボロンカ・フランツスカの国外への輸出は厳しく制限されていましたが、1978年にソ連から東ドイツへ「ロミオ」と「ジュリエット(ジュリアとも)」という名前のオスとメスが輸出されました。1980年代にはさらに多くの個体が輸出され、東ドイツで人気を博し、2500頭以上の子犬が登録されました。
FCIに公認されている有色の毛色のボロンカ・ツヴェトナはボロンカ・フランツスカを起源とし、別犬種と考えられることが多いです。ボロンカ・フランツスカはFCIにはボロニーズの変種として公認されています。
■特徴
体高20~26センチ、体重2~4キロの小型の愛玩犬です。ビション・フリーゼなどと似ていますが、身体は正方形で、マズルは細長く、頭部は丸いです。
活気があり、親しみやすく陽気です。家族に従順で忠実です。
耳は垂れ耳で、尾は背中に向けてカールしています。
毛色はホワイトのみで、毛質はカーリーまたはウェービーコートです。長くて柔らかい絹のようなコートです。アンダーコートは緻密です。毛が抜けにくく、アレルギーフレンドリーです。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認(ボロニーズとして公認)
■まとめ
ロシア、東ドイツ原産の愛玩犬、「ボロンカ・フランツスカ」について紹介しました。近縁のボロンカ・ツヴェトナの祖先となった犬種ですが、とても希少で、ボロンカ・ツヴェトナではなくボロニーズの変種として公認されていることは驚きですね。