シンガポール・スペシャル


シンガポール原産のストリートドッグ、「シンガポール・スペシャル」について紹介します。

■犬種名

英語で”Singapore Special”と書きます。

■起源

建設現場や工場などで番犬として飼われていた犬が、建設現場の移転や工場の閉鎖によって野良犬となり、何世代かに渡り無作為に繁殖した犬です。これらの中には飼い主に捨てられた犬もいます。シンガポールでは純血種の犬も多くいるため、これらの犬が捨てられるなどして遺伝子プールに加わり、シンガポール・スペシャルの見た目は絶えず変化しています。

これらの野良犬は虐待されることもあり、保護団体などが保護して里親募集をしています。

2012年に「project ADORE(ADOption and REhoming of dogs)」が開始され、HDB(シンガポールのアパートで、飼育できる犬種が決まっている)で地元の中型雑種犬とシンガポール・スペシャルを飼育することが可能になりました。ただし、生後6か月以上で避妊去勢手術済み、体高55センチ以下のHDB承認の個体のみで、トレーニングを受けなければならず、一世帯につき一頭までなどの規定はたくさんあります。体高、体重の規定は元々50センチ以下、15キロ以下でしたが、2020年に改訂されました。(現在体重の規定はありません。)

■特徴

個体差が大きく、一概には言えません。

主に中型~大型犬です。身体は他のストリートドッグと似て細身ですが、シェパードやピットブル系の犬種の特徴を持つ個体もいます。舌斑がある犬もいます。他の雑種犬と同様、純血種と比べて健康的で寿命が長い場合が多いそうです。

適応力があり、知的で好奇心旺盛です。内気で警戒心が強いですが、訓練されれば他の犬種と同様に友好的で愛情深いコンパニオンになります。

耳は立ち耳、半立ち耳、垂れ耳など様々です。左右で異なることも多いです。尾は細長い垂れ尾が多いようですが、半分くらいの長さのものや、軽く巻き上がっているものもあります。中~長毛の個体の場合、飾り毛があったりふさふさとしていることもあります。

全ての毛色、毛質がありますが、タン、ブラック&タンが多く、短毛がほとんどです。また、ブラックマスクを持つ犬が多いです。ソリッドブラックやソリッドチョコレート、トライカラー、クリーム、ブルー&タン、マール、中~長毛の個体も存在します。

■登録

JKC 非公認

FCI 非公認

■まとめ

シンガポール原産のストリートドッグ、「シンガポール・スペシャル」について紹介しました。他の国のストリートドッグと似ている部分もありますが、個体差が大きく、特定の犬種に似た見た目の個体もいることは特徴的ですね。シンガポール・スペシャルは保護団体などが里親募集を積極的にしているため、シンガポール在住の方は犬を飼うときの選択肢に入れても良いかもしれませんね。