中国原産の猟犬、「凉山犬」について紹介します。
■犬種名
中国語で「凉山犬」と書き、「四川凉山犬」「撵山狗」”Liang shan quan””Liang shan dog”などとも呼ばれます。
■起源
中国四川省凉山の少数民族イ族(彝族)によって飼育されている半野生状態の、イノシシなどの猟犬種です。
外国から他の犬種が入ってきて交雑が進み、現在では希少です。
■特徴
中型犬で、体高は約35~59センチ、体重は20キロ以下です。身体が柔らかく、スリムです。
半野生で山の中で放し飼いにされている場合が多いので、とても過酷な環境で生活していますが、丈夫で自分で狩りをして餌をとる能力があります。また、群れで狩りをします。遺伝病などほぼありません。
勤勉で勇敢、持久力と追跡力があり狩猟への欲求が大きいです。また、警戒心が強く主人に忠実で従順で、見知らぬ人には攻撃的です。
耳は高い位置につく三角形の垂れ耳で、尾は上向きでサーベル尾です。
毛色は黒と茶色や青みがかった黒とのグラデーションで、鉄青、紅青、花鉄青(珍しい)、花紅青(珍しい)などがあります。頭部は黒く、「火烧头(ファイアヘッド)」と呼ばれます。また、首、脚、尻尾は毛色が違うため、「披挂(鎧兜)」と呼ばれます。黒の毛色で「披挂」が赤だと「紅青」、グレーだと「鉄青」という毛色になります。通常、尾の毛色は一色か二色ですが、根元がグレー、真ん中が黄~赤、先が黒といった三色の尾を持つ個体もいます。毛質はスムースで硬く、光沢があります。尾の毛は身体の毛より長く、ほうきのように見えることから「扫把尾(ほうきの尻尾)」とも呼ばれます。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
■まとめ
中国原産の猟犬、「凉山犬」について紹介しました。中国国内でも数が少なく、かなり希少になっている犬種ですが、中国の少数民族によって飼われてきた犬種なので伝統が守られると良いですね。