リトアニア原産のハウンド、「リトアニアン・ハウンド」について紹介します。
◼️犬種名
英語で”Lithuanian Hound”と書き、リトアニア語では”lietuvių skalikas”と書きます。
◼️起源
現存するリトアニア原産の唯一の犬種と言われます。
祖先にいる犬種は正確には不明ですが、フランスから輸入されたセント・ヒューバート・ハウンドに似ていると言われます。また、カーランド・ハウンドを復活させる目的で作られたという情報もあります。20世紀に、ビーグル、ポーリッシュ・ハウンド、ロシアン・ハウンドを交配して改良されたと言われています。
リトアニアでは古くからノウサギ、キツネ、イノシシの狩猟に使われてきました。第二次世界大戦によってその数は激減し、絶滅の危機にありました。1957~1958年頃、テルシャイ出身のリトアニア人獣医師、ジグマス・ゴシュタウタスによって犬種の復興が試みられました。1974年にはリトアニアン・ハウンドと思われる犬は78頭しかおらず、そのほとんどは血統書がありませんでした。1966年に最初のスタンダードが作られ、1983年に改訂されました。1981年には初めて展示会が開かれました。1986年には血統書のあるリトアニアン・ハウンドが約500頭いました(1987年には約350頭と言う情報もあります)が、その後減少し、2007年には約300頭しか登録されていません。2008年の研究によると、近交係数は2.09%、血縁度は6.74%でした。
リトアニアンケネルクラブがFCI公認に向けて尽力しています。
◼️特徴
開けた広い場所で猟をするのに適しています。しかし、近年猟場の大きさは小さくなっています。
体高はオス52~60センチ(理想は59センチ)、メス48~55センチ(理想は54センチ)、体重はオス30キロ以下、メス27キロ以下です。
友好的で愛情深く、知的です。また、多くのハウンドのようにエネルギッシュで陽気で機敏です。しかし、頑固で初心者向きではないと言われることもあります。
耳は顔の半分以上を占める中くらいの長さで垂れており、三角形で先端が丸いです。尾はサーベル尾で、根元が太く、太い毛に覆われています。首にはデューラップがありません。
毛色はブラック&タンで、胸に小さな白斑があることがあります。毛質は密度が高く光沢のあるスムースコートです。首、背中、尾は毛が3~5センチで長く、足と耳は毛が短いです。毛色などはトランシルバニアン・ハウンドにも似ています。
◼️登録
JKC 非公認
FCI 非公認
LKC 公認
◼️まとめ
リトアニア原産のハウンド、「リトアニアン・ハウンド」について紹介しました。現在もリトアニア国外では珍しい犬種で、FCIにもまだ公認されていませんが、一時は絶滅の危機にあった長い歴史を持つ犬種なのでその姿と役割が保存されると良いですね。