ボーダー・コリーの模様の種類


以前の投稿で、ボーダー・コリーの毛色の種類について紹介しました。

ボーダー・コリーの毛色の種類

ボーダー・コリーには様々な毛色の種類がありますが、特に顔は模様についてもいくつか種類があり、中には特徴的なものや珍しいものもあります。今回は、ボーダー・コリーの模様について紹介します。

■ボーダー・コリーの模様

この記事で「模様」と呼ぶのは、マールの斑の大小や色合い、タンポイントではなく、白斑(ホワイトスポッティング)と有色の部分によってできる模様のことを表します。ボーダー・コリーは能力が重視される犬種でもあり、毛色については比較的規定が厳しくなく、模様も値段に差は出るもののドッグショーで優劣をつける基準にはなりません。

■ボーダー・コリーの白斑の面積

JKCの規定によれば、ボーダー・コリーはホワイトが優勢でない毛色が公認毛色になっています。ボーダー・コリーに一般的なホワイトの入り方は、アイリッシュ・スポッティングと言われる、ブレーズ、カラー、足先、尾の先などの体の30%程度にホワイトがあるものです。しかし、日本では少ないものの、ホワイトが優勢の個体も存在します。(ダブルマールを除く。)全犬種に共通する名称ですが、体全体の約70%がホワイトの毛色を「パイボールド」、体全体の約90%がホワイトの毛色を「エクストリーム・ホワイト」と呼びます。

・アイリッシュ・スポッティング

ブラック&ホワイトの一般的なアイリッシュ・スポッティング
出典:Wikimedia Commons File:BC Rüde.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:BC_R%C3%BCde.jpg

・パイボールド

ホワイト&ブラック(パイボールド)のボーダー・コリー ティッキング(有色の小斑)があるが、ホワイトの面積が大きい。
出典:Wikimedia Commons File:Chaser the border collie.jpg
https://en.m.wikipedia.org/wiki/File:Chaser_the_border_collie.jpg

■ボーダー・コリーのカラー

アイリッシュ・スポッティングの毛色の犬種に共通することですが、ボーダー・コリーには「カラー」と呼ばれるホワイトの斑が首周りにあります。「カラー」とは襟巻きという意味で、黒や茶色の地に白い襟巻きをしているように見えることからきています。

・フルカラー

ブルーマール&ホワイト タンのフルカラー

首の周りをホワイトが一周しているものです。カラーが太い場合特に派手で華やかな印象になります。

・カラー切れ

チョコレート&ホワイトのカラー切れ

カラーが一周しておらず、一部が有色であるものを指します。個体差がありますが、首の横辺りで切れていることが多いです。

・半カラー、ハーフカラー

ブラック&ホワイトの半カラー
出典:Wikimedia Commons File:SlabCityS-13.png
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SlabCityS-13.png

首の周りをホワイトが一周しておらず、半分ほどが白く、残りが有色のものを指します。

・カラーなし

ブラック&ホワイトのカラーなし

カラーが全くないか、ほとんどなく、胸の辺りのみが白の個体です。他犬種で言う、タキシードなどもこれに当たります。

■ボーダー・コリーの顔の模様

ボーダー・コリーの顔の模様は実に様々です。もちろん、他犬種でホワイトの入るものも顔の模様が特徴的なもの、珍しいものもありますが、ボーダー・コリーはブラック&ホワイトなど濃い色が多く、また左右対称のブレーズのイメージが強いと思うので、ブレーズの違いやホワイトの面積で印象が大きく変わる犬種だと思います。ブレーズは特に顔のイメージを決定するため、ブリーダーやペットショップでは価格に影響を与えることが多いです。左右非対称や、狭すぎるか広すぎるブレーズは価格が下がることが多いです。また、ワーキングラインの個体は見た目より能力を重視する傾向があるので、これらの模様がより一般的でしょう。

・フルブレーズ

ブラック&ホワイトのフルブレーズ
出典:Wikimedia Commons File:Border Collie discdog jump.jpg
https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Border_Collie_discdog_jump.jpg

一般的な模様ではブレーズと呼ばれるホワイトの左右対称のラインが鼻先から額にかけてあります。ブレーズの太さ、長さは様々で、カラーまで繋がっているものをフルブレーズと呼びます。頭の上くらいでブレーズが切れているボーダー・コリーが多いです。カラーと同様、ブレーズが太いと派手で華やかな印象になります。

・ガングロ

ブラック&ホワイトのガングロ

ブレーズがなく、マズルが有色のものを指します。「ガングロ」とは、日本語のから来ているのでこの呼び方は日本でしかされないです。シェットランド・シープドッグやラフ・コリーなどではブレーズがないことも一般的ですが、ボーダー・コリーでは珍しく、特にブラック&ホワイトの場合などは精悍な印象です。

・面ズレ

ブラック&ホワイトの面ズレ
出典:Wikimedia Commons File:Border Collie b-w.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Border_Collie_b-w.jpg

通常は顔の真ん中に左右対称にブレーズがありますが、面ズレは左右非対称であったり、中心がずれていたりするものを表します。ブレーズの太さはさまざまです。

・ハーフホワイトフェイス、ハーフフェイス、片パンダ、スプリットフェイス

トライカラー(ブラック&ホワイト タン)のハーフホワイトフェイス。両目ブルーアイ。

その名の通り、顔の半分が白で半分が有色の模様を指します。ブレーズが広いだけでなく、左右非対称の「面ズレ」の中でもホワイトの面積が大きい(だいたいの基準は片方の目の周りが白であること)状態です。愛称は「片パンダ」で、白地に目の周りだけ黒いパンダの模様が半分だけ、ということからきています。海外では色が半分ずつに分かれていることからスプリットフェイスと呼ばれます。ボーダー・コリーはマールでなくてもブルーアイやバイアイが多い犬種ですが、ハーフホワイトフェイスの場合、ホワイトの方がブルーアイで有色の方がノーマルアイのことと、その反対のことがどちらもあります。目の色や、有色の部分の面積や入り方にもよりますが、「片パンダ」という愛称の通り、可愛らしい印象を受けます。

・ホワイトフェイス

おそらくブラック&ホワイトのホワイトフェイス。ノーマルアイ。
出典:Wikimedia Commons File:Border Collie black-and-white front.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Border_Collie_black-and-white_front.jpg

顔全体が白い模様です。耳が黒い場合もあります。通常のブレーズのボーダー・コリーと比べるとかなり見た目が違います。目の色や、耳やその周りが黒いかどうかによって印象が変わり、目が青いものや耳が黒いものは凛々しかったり個性的な顔になり、ノーマルアイで耳を含む顔全体が白のものは優しい印象になると思います。

■まとめ

ボーダー・コリーの模様の種類について紹介しました。ボーダー・コリーは様々な毛色の種類があるだけではなく、顔や体の模様によって印象が大きく変わる犬種です。ドッグショーでは一般的な模様のボーダー・コリーがほとんどかもしれませんが、日本でも様々な模様のボーダー・コリーを見ることができます。


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