スウェーデン原産の猟犬種、「ヘデフンド」について紹介します。
■犬種名
スウェーデン語で”Hedehund”と書き、”Gulhund””Holmshund”などの別名があります。
“Hedehund”は原産地のヘデに、”Gulhund”の”Gul”は黄色を意味するスウェーデン語でこの犬種の毛色に由来しています。
また、”Holmshund”はこの犬種がヘデフンドと呼ばれるようになった最初の犬を飼っていたオロフ・J・ホルム氏に由来します。
■起源
スウェーデンのヘリエダーレン地方のヘデと言う地域原産です。プリミティブタイプの見た目をしていますが、作出されたのは1920年代と比較的最近で、ホワイトのスウェーディッシュ・ラップフンドとノルウェジアン・エルクハウンド・グレイの交配によって誕生しました。
スウェーデンのケネルクラブにも公認されておらず、スウェーデン国内の飼育頭数は100頭程度と言われている珍しい犬種です。
■特徴
主にヘラジカ狩りに使われてきました。あまりがっしりはしておらず、祖先のノルウェジアン・エルクハウンドよりはイェムトフンドに似た体型をしています。
体高は50〜60センチ、体重は約22キロの中型犬です。
力強く、エネルギッシュで優秀な猟犬です。安定した穏やかな気質だと言われています。
毛色は主にイエロー、ベージュで、マズル、耳、尾の付け根と先は黒いです。元々はイエローが多く、ノルウェジアン・エルクハウンドの血が多く導入されるとグレーがかった色が増えました。このイエローやベージュといった明るい毛色がヘラジカ狩りにおいて有利になったという説があります。ヘラジカはグレーやセーブルの猟犬よりもヘデフンドの方が遠くからでも見つけやすく、急に驚いて逃げ出す可能性が低いからです。毛質は密なアンダーコートのあるダブルコートでショート〜ミディアムコートです。
耳は三角形の立ち耳で、尾は高い位置につき、ふさふさとした垂れ尾や巻き尾です。尾の特徴として、先端だけでなく付け根にも黒い斑があることが挙げられます。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
■まとめ
スウェーデン原産の猟犬種、「ヘデフンド」について紹介しました。スカンジナビア半島原産の似たような特徴を持つ犬種は多いですが、ヘデフンドのようにあまり知られていない犬種もあります。また、ヘデフンドの特徴的な毛色がヘラジカ狩りに役立っていたとは驚きですね。
(参考)
https://jagareforbundet.se/jakt/hund/jakthundraser/ovriga-raser/Hedehund-gulhund/
https://fi.m.wikipedia.org/wiki/Hedenkoira
https://no.m.wikipedia.org/wiki/Hedehund
https://sv.m.wikipedia.org/wiki/Hedehund