アメリカ原産のハイブリッド犬種、「ハビビ・ベア」について紹介します。
■犬種名
“Habibi Bear”と書き、”Habibi”とはアラビア語で「愛する人」を意味し、”Bear”はテディベアのような見た目に由来します。
■起源
サービスドッグ、セラピードッグ、ESA(エモーショナルサポートアニマル)などの目的で作出されました。
掛け合わされた犬種は正確には明かされていませんが、最初はミニチュア・シュナウザーとプードルのミックスから繁殖が始まったようです。
チョコレート、マール、パーティーカラーなどの珍しい毛色のミニチュア・シュナウザーやプードルがラインに加えられ、遺伝子プールが広げられました。また、マールの毛色のシュヌードルを「アップタウンシュヌードル」と呼んでいましたが「コンフェッティシュヌードル」に変更されています。
五犬種が交配されたと言われ、その中にミニチュア・シュナウザー、プードル、ペキニーズ、シーズーが含まれると考えられます。他の犬種に関しては不明です。
近親交配を防ぎ、純血種となるよりも雑種強勢のメリットを得ています。遺伝子検査を行うことによって、キャリアとはノーマルだけを交配し、遺伝性疾患をなくすことが目指されています。2021年には最も新しい世代における250以上の遺伝性疾患がなくなったとされています。
■特徴
サイズは四種類あり、小さい方から「マイクロティーカップ」「ティーカップ」「ミニ」「スタンダード」で、マイクロティーカップは希少です。
マイクロティーカップ:体重1.3~2.7キロ
ティーカップ:体重3.1~5.4キロ
ミニ:体重5.4~9.0キロ
スタンダード:体重8.1~18キロ
(ポンドをキロに直しているため、少数第2位以下は切り捨てています。)
身体は長方形で丈夫です。ティーカップサイズは脚が少し短いです。
咬み合わせはシザーズバイトまたはアンダーショットです。祖先にペキニーズとシーズーがいるため、アンダーショットが許可されています。
気質は安定していて忠実で、用心深く、知的で社交的で、あらゆる環境に適応します。
毛色は様々で、クリーム、アプリコット、セーブル、ファントム(ブラック、ブラウン)、ブラック、パーティカラー、チョコレート、レバー、レッド、コンフェッティなどがあり、この犬種の特徴でもあります。マールの入った毛色は「コンフェッティ(紙吹雪)」と呼ばれ、中には目が青い犬もいます。また、ソリッドカラーのみならず、白斑が入ることもあり、タキシード、パーティカラー、アイリッシュパイボールド(アイリッシュ・スポッティングのことだと思われる)などと呼ばれます。また、ブラック&タンなどタンポイントが入るバイカラーはプードルやプードルハイブリッドの場合と同じく、ファントムと呼ばれます。毛質はフリースとプラッシュの二種類あり、多いのはフリースです。フリースは他のプードルハイブリッドの犬と同様、毛がウェービーやカーリーで抜けにくく、アレルギーフレンドリーです。シルキー~コットンのようなコートまであり、シルキーなコートの犬はより長いコートを好む飼い主に向きます。プラッシュは劣性遺伝子のためかなり珍しいようです。毛が短く、オーストラリアン・シェパードに似た柔らかいストレート~ウェービーの毛質で、トリミングの必要がなく、手入れがとても簡単だと言われています。ただし、フリースよりは毛が抜けるようです。顔、足、尾の下部は毛が短く、耳と胴体の毛が長いです。また、毛は犬の匂いがしません。フリースコートの場合はトリミングをしなければならず、また、ブラッシングとグルーミングが必要です。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
■まとめ
ハイブリッド犬種、「ハビビ・ベア」について紹介しました。日本で見かけることはまずないと思いますが、日本の住宅事情にも合う犬種に思えます。最近ミックス犬が日本でも世界でも人気になってきています。そのため、これからも必要とされる犬種になると思います。遺伝性疾患や、遺伝子プールにも気を配っていると言うのは単純に異なる犬種の交配だけではできないことです。四半世紀以上前から繁殖が始まっており、またインスタグラムなどで知名度も高いですが、多くのブリーダーが存在するわけではなく、犬種として登録もされていないので、まだミックス犬もしくはハイブリッド犬種という扱いなのかもしれません。しかし、セラピー犬などの目的で作り出された犬種の中でも犬種クラブが作られ、ケネルクラブに公認されるよう努力しているブリーダーがいる犬種もあります。ハビビ・ベアもより固定化が進み、さらにブリーダーなどが増えれば犬種として確立されるかもしれませんね。