アメリカ原産の家畜番犬、「コロラド・マウンテン・ドッグ」について紹介します。
■犬種名
英語で”Colorado mountain dog”と書き、”CMD”とも呼ばれます。
■起源
2006年頃にコロラド州のウェンディ・フランシスコとその夫は牧場でライオンにヤギが襲われたことによって、グレート・ピレニーズとアナトリアン・シェパードのミックス犬のオス、「カスピアン」が飼われ始めました。カスピアンは大きく壮観で、36エーカー(約0.15平方キロメートル)を守り、客にも愛情深い犬でした。毛は柔らかく光沢があり、手入れが簡単で、白いままでした。その後テキサス州からやってきたLGD雑種のメス、「スノー」と「リバー」、オハイオ州からやってきたLGD雑種のオス、「ティリアン」の4匹が元となり、2008年に繁殖が開始されました。
しかし、何人かのブリーダーによって、革新と多様性を無視したブリーディングをし、多くの子犬が売られました。
2018年にCMDR(コロラド・マウンテン・ドッグ・レジストリ)が作られ、当初のビジョンを持って、本格的に品種の開発が始まりました。
■特徴
この犬種の祖先となった犬、「カスピアン」は小規模農場に適した優れた作業適正を備えており、吠えることも歩き回ることも少なく、知らない人でも危険でない限り受け入れる犬でした。コロラド・マウンテン・ドッグはカスピアンの特徴に基づいています。全ての系統のコロラド・マウンテン・ドッグがカスピアンの遺伝子を受け継いでいるわけではありません。
コロラド・マウンテン・ドッグは歩き回ったり、吠えたりすることが少なく、活動的すぎません。また、友好的ですが、危険な人物を見分けることができます。
いくつかのLGD犬種よりも細身ですが、背が高く、骨が丈夫で力強い脚を持っています。しかし、身体のつくりは知性、番犬気質、穏やかな性格などの実用性より優先されることではありません。
コロラド・マウンテン・ドッグは特定の犬種のミックスではなく、近親交配を減らしながら、機能性を重視した繁殖がなされています。現在、グレート・ピレニーズ、アナトリアン・シェパード、ボズ・シェパード、マレンマ・シープドッグ、クーバース、アクバシュ、その他のLGD犬種の遺伝子を持っている可能性があります。また、カスピアンはグレート・ピレニーズとアナトリアン・シェパードのミックスでしたが、グレート・ピレニーズとアナトリアン・シェパードのミックスをコロラド・マウンテン・ドッグと呼ぶのは間違いです。
オスは体重約54~68キロ体高約73~83センチ超、メスは体重約36~54キロ、体高約66~78センチ超です。
大きくなく先端が丸みを帯びたV字型の垂れ耳と、長い飾り毛のある尾を持っています。警戒しているときは耳は半直立耳になります。また、動いているときは尾はゆるくアーチを描いています。
毛色は主に白ですが、バッジャーのマーキング、ブリンドル、ブラックマスクにタンがある毛色など様々なものが認められています。毛質はミディアム~ミディアムロングで柔らかくわずかにウェーブがかかったものです。首回りは毛が厚く、脚には飾り毛があり、後ろ脚には豊富に毛が生えています。マズル、スカル、脚の前側は毛が短いです。アンダーコートは冬の間厚くなり、手入れは簡単だと言われています。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
■まとめ
アメリカ原産のLGD犬種、コロラド・マウンテン・ドッグについて紹介しました。まだ新しい犬種ですが、現在はアメリカ以外の国でも飼育されるようになっており、頭数も多いようです。日本で見かけることは今のところまずなさそうですが、その性格からコンパニオンドッグとして飼われるようになる日も遠くないかもしれませんね。