イギリス原産のハウンド、「ウエスト・カントリー・ハーリア」について紹介します。
■犬種名
英語で”West Country Harrier”と書き、”Somerset Harrier”とも呼ばれます。
■起源
古いハーリアは、少なくとも13世紀からイギリスで知られていました。伝統的にアナウサギ、ノウサギ、キツネを群れで狩るのに使われており、サザン・ハウンドと近縁で、足が遅いセントハウンドでした。そのため狩りは徒歩で行われていました。19世紀に足を速くするためにフォックスハウンドの血が導入され、狩りの方法も馬に乗って行うものに変わりました。
ウエスト・カントリー・ハーリアは、スタッドブック・ハーリアとも呼ばれる通常のハーリアと違い、このフォックスハウンドの血が少ないと言われます。そのため、古いハーリアと現在は絶滅したフォックスハウンドの子孫であると、ジョン・ジャック・ラッセル(キツネの猟師、犬のブリーダーでジャック・ラッセル・テリアとパーソン・ラッセル・テリアの作出者)は述べました。
現在ではとても希少ですが、ウエスト・カントリー・ハーリアのパックを使って猟をしている人もまだ残っており、”Association of Masters of Harriers and Beagles(AMHB)”にはハーリアとは区別して登録されています。サマーセットで多く飼育されているため、サマーセット・ハーリとも言われます。しかし、デボンでも多く飼育されているので、これは適切な名前ではないかも知れません。
■特徴
体高約55センチ、体重15~18キロで、ハーリア(スタッドブック・ハーリア)より大きく、毛色が薄くなる傾向にあります。ハーリアの体高の上限が約53.3センチと定められているのに対し、ウエスト・カントリー・ハーリアの体高の上限は決められていません。ハーリアと比べるとスピードは劣りますが、より優れた嗅覚を持ち、より魅力的な吠え声をしており、でこぼこした地形での作業に適していると言われます。
毛色はホワイト&オレンジ、ホワイト&レモン、ホワイト&クリーム、トライカラーなどですが、いずれも有色の部分の色が薄く、ホワイトの斑がとても大きい場合が多いです。毛質はスムースです。
■登録
JKC 非公認
FCI 非公認
■まとめ
イギリス原産のハウンド、「ウエスト・カントリー・ハーリア」について紹介しました。現在でもウエスト・カントリー・ハーリアを使って伝統的に猟をする人にとっては欠かせない犬だと思われますが、かなり希少なのも事実です。しかし、これからもハーリアや他のハウンドに混ざったり、ハーリアとしてまとめられるのではなく、ウエスト・カントリー・ハーリアの血統が守られるかもしれません。